第2章 俺だけじゃ、足りないの?
「さっき始まったとこだったのにエンドロールなんだけど?」
「そんなん分かってたこと。俺はいつも通り」
「まあそうだけどさあ」
自分の服を着直してからアズサに服を着させる。
床にばらばらと落ちた服を拾いながらベッドに沈むアズサの文句を聞いてやる。
疲れきってて頭もあまり働かないみたいで普段よりふわふわと中身のないアズサの言葉。
何か好きなんだよなあ。
「はい、アズサ、手ぇあげて」
「ん」
「今度こっち」
「んー」
おとなしく服を着させられてるのとか可愛いなあ。
軽い脱力感が心地いいのは俺もそうだけど、
この服着せるときのなんでも素直に動いてくれるのが好きでつい構ってしまう。
アズサの服を着せて俺はベッドにもたれかかる感じで床に座る。
エンドロールも終えてメニュー画面になったテレビからはその映画のテーマ曲が流れている。
映画をきちんと観たかったなんて言い訳にしか聞こえないことを言う。
全部俺の所為だと言われてるみたいだ。明らかに誘ったのはアズサだろう。