第2章 俺だけじゃ、足りないの?
「兄貴いつもこれ見てるぜ?」
「気に入ってくれたかなあ」
「多分そういうんじゃねぇけど」
そう。そういう意味ではない。
兄貴はただ単に映画を通してアズサを考えてるだけ。
あの顔を見れば誰だって分かる。
アズサは結構映画が好きみたい。
暇さえあれば映画館に足を運ぶし家の本棚には本よりも映画のDVDやBlu-rayが大半を占めている。
最初に会ったのも映画館だった。
兄貴も似たようなものだ。
ごちゃごちゃと語ったりはしないものの結構そういう話をする。
よくわからないからテキトーに相槌を打つだけだけど。
一方、俺は2時間近くも狭い席でじっとスクリーンを眺めているなんて耐えられない。苦行ですらない。
まだプラネタリウムの方が寝やすくて好き。
「俺とは行かないくせに」
「だってカナタ寝ちゃうでしょ」
「まあ暗いと寝る、な」
分かっていても、行きたいと思ってなくても誘われないのは気に食わない。