第2章 俺だけじゃ、足りないの?
休日の昼間。いつも通りの光景。
アズサの家のアズサのベッドの上でふたり寝転がってどうでもいい会話をしている。
天気はまあまあいい方だがこの家主は俺が外に誘っても家が一番だと言い張る。
その為、いつもどんな天気でも此処が俺達の定位置だ。
ふと見覚えのある映画のパンフレットが目についた。
うちのリビングにも同じものがあったからだ。
ポーカーフェイスのハルカがそれを眺め少し顔を緩ませ見ているのを今朝も見掛けた。
分かっていながら俺はアズサに聞く。
「これ、誰と行った?」
「ハルカくん」
アズサの笑顔が気に入らない。
いつもなら可愛いなあと思う顔だけど今は気に入らない。
「知ってる。兄貴も同じの持ってた」
「あー私が買ってあげたの」
「普通逆じゃね?」
「監督好きだから布教活動」
確かに好きなんだろうな。
アズサの家では高頻度でテレビにはこの監督の映画がかかっている。
出しっぱなしのDVD殆どが彼の作品のものだ。
だからあのパンフレットを持っている兄貴を見たとき直ぐにアズサが浮かんだ。