第2章 俺だけじゃ、足りないの?
「映画みたいだけなら兄貴誘えよ」
「うちに呼べないでしょ」
「なんで?」
「まだそんな関係じゃないし」
「そういうもん?」
「まあ そう」
ここら辺で優越感に浸らせるアズサは俺の扱いに慣れきっている。
俺はアズサの掌の上でくるくるふらふらと転がってるんだろう。
だけど転がりっぱなしも面白くないのでたまには嫌なことも言ってやることにしてる。
「じゃー兄貴の家行けば?」
「カナタいるじゃん」
「居るねー。」
「知らないふりできるの?」
「するつもりないね、出会い頭にキスでもしてやるよ。
こうやって」
噛みつくようにキスをした。舌を捩じ込んで絡め合わせる。
妙に温かいアズサの舌が心地いい。隙間からアズサの甘い吐息が漏れる。
どちらかわからない混ざりあった唾液が喉を流れた。
と。そんなときタイミング悪く携帯の呼び出し音が部屋に響いた。
アズサのスマホからだった。
雰囲気に浸る様子もなく頭を切り替えたアズサはその小さな画面を注視する。
「あ ハルカくんからメールだ」