第1章 少年達の花園 1
皆、ハキハキとはしていないがしっかり自己紹介している
「えーっと次は」
タッキー先生が名簿を見ていたので自ら立ち上がり自己紹介した
『獅子王 楓。好きなもの自分の思い描いた小説と以下略。嫌いなものは多すぎて言いきれない』
一息で言いきり着席した
「初めて見るタイプだな。すごく落ち着いてる。別に悪いと言う訳じゃないんだ。なんなら、演劇部に入らないか?」
『遠慮します。先生が顧問だと思うので』
先生から勧誘は嬉しいが人前に出るのはニガテなので(決定的な理由を添えて)遠慮した
「おお、よく分かったな」
『先生のしゃべり方が少し違うからです。演劇だからか知りませんが声の出し方が喉を開きながら言っているようですし、一言一言
がはっきりしすぎている。イントネーションもほぼ揺らぎなく滑らか。声だけだと声優でもありえましたが歩き方も自然に背筋が伸
びている。お客様に見せるのでそれは常識でしょうし、重心は両足に掛かっている。靴の減り具合から分かりました。
それと先生のその笑顔は演技ですよね ? 笑顔は慣れていると思いますが笑顔が自然に出るときに使わない筋肉を使っている。違いま
すか ? 』
「う~ん、益々欲しい人材だな。と、でも時間がなくなるから次いけ。」
不快に感じたあの笑顔を無くした方がいいと雰囲気的に伝えたつもりが驚きの表情を少ししてまるで「俺はお前の勧誘を諦めない」と
遠回しに言っているように聞こえた
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「いやはや、あれは傑作ですな~ww」
『本当のこと言っただけ』
当たり前と言ったら当たり前だが。あの後は皆楓を避けていた
「いや~あれは私だったら気づかないよ」
『観察能力が欠けてるんだ。まぁ元々お前の頭の螺は十本くらい抜けているが』
「あ、今サラリと酷いこと言ったでしょ?」
『一回で聞き取れ低脳』
「何も言い返せないのが腹立つ」
口ではああ言ったものの美咲と話すのが楽しい
『じゃあ明日』
「うん、バイバ~イ」
美咲とはここで違う道になるため別れた
これが美咲との最後の会話になることも知らず