第1章 少年達の花園 1
カブトたちを宥めて数分。漸く落ち着いてきた
傷の具合を確認するためもう一度指を見てみた
思っていた通り《指の傷はなかった》
最強設定なのでこのくらいあるだろうと薄々気づいていた
そして、同時に治癒能力はないものかと思いもう一回カブトの尻尾に近付こうとするとカブトに遮られる
『大丈夫だ。傷を治すだけだから』
「クア ! !」
『私の傷なんぞすぐ治る。それよりお前の傷の方が心配だ。それとも私の言っていることが信用できないのか ? 』
これまでカブトの行動から見ると私に嫌われないようにしていたのでこの言葉を使うと了解してくれると思う
やはり思った通りカブトは渋々ながら見せてくれた
取り合えず傷の上に手を翳してみた
『……………』
何も起きなかったので治ってほしいと思いながら手を傷の上で振ってみた
するとあら不思議、傷が本当に治ったではありませんか
『お前、尻尾はどうだ ? 』
「クア ! ! クア ! ! 」
『そうか、なら良かった』
動物語は話せないが何となく言っていることが分かった
『そうだ。二三聞くがあるがいいか ?』
「クア」
『まず、ここはグルメ界か ? 』
「 ? 」
『う~ん………なら、ここはお前より強いものは居るか ? 』
「クア」
多分ここはグルメ界ならばここから早く抜けなければならない
しかし、それ以前に一つだけ聞きたいことがある
『では、最後に何故お前らは私に着いてきたがる ? 私は人間だぞ ? 食ってしまえばいいものを』
「クア…… ? 」
カブトたちもイマイチ分からないようだ
『まぁそれなら別にいい』
兎に角行動に移さないと意味がないので歩き始める
「クア」
『ん ? 何だ ? もしかして乗せてくれるのか(笑) ? 』
カブトが目の前で伏せたので笑い混じりに聞くと勿論だとでも言う顔をしていた
『人間の近くまで行くのだぞ ? もしかしたらお前が危ない目に……』
「グアア ! ! !」
『 ! ! 』
珍しく声を荒げるカブト
これはきっと気にするなと言っているんだ(多分)
『……では、境界の付近でいい。それ以上行ってお前に死なれるのは嫌だからな』