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Sweet Love* Part3

第22章 *Line feat.赤司




「お…おわ、ったぁ…!」

苦悩の末終わったのは、カラスが巣に帰ろうとしている時だった。

黄金色が教室いっぱいを包む中、私はぐーっと伸びをする。

「ふー、疲れたぁっ」

「勉強を教えるのに、ここまで苦労したのは初めてだよ…」

「うっ…!ご、ごめん」

赤司くんも疲労を見せながら、ふうっと息を吐き出していた。

「謝らなくていい。なんだかんだで、楽しかったからな」

「へえ…そうなの?」

理解力の乏しい人に勉強を教えるのは、あまり楽しくない気がするけど。

変わり者ですね。……人のこと言えないか。

「そうだ、遠野、最後に一つだけいいかな?」

「ん?いいよ〜?」

ここまで付き合ってもらったんだから、今度は私の番だと思った。

赤司くんは黒板に近づいていき、大きめの文字をチョークで書き込む。

人みたいな漢字と、十みたいな漢字。

人の方は直線だけで書かれてて、十の方は上が少し長い。

「ここに一本線を足すと、言葉になる。何かわかるか?」

「全然さっぱり」

「少し考える努力をしろ」

ボーナス問題なのに、怒られた…。

でも、頭を使うようなのは得意じゃないからなぁ…。
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