第22章 *Line feat.赤司
「とりあえず、こっちに来て適当に書き込めば当たるかもしれないよ?」
「そうかなぁ…」
案外当たらない気もするけど、あれこれ考えるのは苦手だから。
まずはピンクのチョークを手にとって、横に一本。
「…なんで急に当てるかな」
「えっ、正解?」
人の上にぴったりくっつくように書いた横線は、十を突き抜けている。
繋がってるから変だけど、読めないことはなかった。
『ス キ』
「…好き?」
「………」
解読したあと、隣を少し見やると、ばつが悪そうに横を見てる。
「…遠野は?」
「何が?」
「だから…俺は遠野が好き、だ。それに対しての返事は?」
外してた視線を向けられて、瞳に吸い込まれそうになる。
…こんな感覚になる原因は、一つしかなかった。
「私も、好きだよ」
自分も言ったくせに、赤司くんは、少し戸惑ったように照れていた。
*Line*
一線を引いた時、
メッセージができると同時に、
私たちの恋も繋がった。