第22章 *Line feat.赤司
休日…というのは名ばかりで、私の土曜日は、補修というモンスターに食い尽くされてしまった。
「お、お、終わらないぃ…っ」
机にどっかりと鎮座する課題たちを見て、早くも意気消沈。
こんななら、もっとテスト勉強を頑張るんだった。
あんなに点数低かったら、補修が当たり前だよね…。
課題から目を背けるように、廊下を窺う。
「…ん?あっ、赤司くん!」
目に入ったのは、部活終わりなのか、スクバを肩にかけて歩く姿。
隣のクラス…彼にとっては自分の教室に入っていくのが見えた。
「もしかして、今暇かなぁ…」
私が抱いた野望は、「赤司くんに課題を手伝ってもらえないかな」ってこと。
彼がズルを認めないのはわかってるから、教えてもらうって形で。
「赤司くんっ」
「? ああ、遠野か。どうしたんだ?」
「実はね……」
説明は省略するけど、正直に全部話した。
すると彼は、意外にもすんなり
「いいよ。」
と言ってくれた。
あれっ、もうちょっと苦戦すると思ってたんだけどなぁ…。
ちょっと意外だったけど、もしかしたら気分がいいのかもと思って、気にせずに笑った。
「やったっ!じゃあ、頑張ってささっと終わらせよう〜!」