第16章 *お前が素直すぎるから feat.日向
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少ししてトランプを持ってきて、まずは抜けてるカードがないか確認も兼ねて七並べを始めた。
結果、遠野の勝ち。
「なんか…私のにばっかりいいカード偏っちゃったし…フェアじゃない…。」
「お、落ち込むなよ。ほら、ただの確認だろ?」
勝ったくせにしゅんとする遠野は、優しさというより本心でそう言ってる感じだった。
次に、ババ抜きは2人じゃつまらないからと、お菓子を賭けてポーカーをした。
ポーカーはすぐ終わるので、何回もやった…が。
「ひゅ…日向くん強すぎるよ…!」
全勝無敗で俺の勝ちだった。
「いや…お前、分かってる?ポーカーって、カードの良し悪しを表情に出しちゃ意味ないんだって。」
「や、やってるけど…っ」
うう〜、と涙目で呻いて、悔しそうに俺の手元のお菓子を見つめる遠野。
つーか、俺より黒子のが強いから、絶対…。
あいつポーカーの神になれそうだな、と思いつつ、俺はお菓子をいくつか遠野に差し出した。
「…え?」
「食えよ。どうせ、全部は食えねぇし。」
むしろ、3回以上は遠野も勝ってくれると思ってたんだけどな…。
「あ…ありがと…。」
嬉しそうに、けど照れくさそうにそう言って、遠野はやんわりと微笑んだ。