第6章 *hold feat.笠松
翌日、月曜日。
「笠松先輩、おはようございます〜!」
家の前で待っててくれた笠松先輩と、いつものように一緒に登校することになった。
壁にもたれて立っていた笠松先輩は、私を見ると、一瞬だけ笑顔を見せた。
その後はすぐに照れて顔を逸らすけど、そんな姿も可愛いな、って思った。
「おう。行くぞ。」
それからは振り返ることなく、いつものペースで歩いていく。
「…はーい。」
昨日あんなことがあったし、もしかして手を繋いでくれるかも…なんて思ってたけど、そんなことはないらしい。
期待してた分、昨日繋がれた手がいつもより空いてる気がした。
思わず、不満が呟きとなって零れる。
「少しくらい、気にしてくれたっていいじゃないですか…。」
「ん?何か言ったか?」
「…別に、何でもないです。」
不機嫌そうな私に、笠松先輩は訝しげに首を傾げた。