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Sweet Love* Part3

第4章 *曖昧Boundary feat.氷室


「それに、顔にも出てたしね。」

「…そんなに分かりやすいつもりは、なかったんだけどな。」

恥ずかしかったのか、俯き気味になり、耳を赤くする辰也。

普段は照れることなんて中々ないから、嬉しかった。

「そりゃあ、彼女ですから。」

そう言った時ちょうど、電車が止まる。

どこかの駅に着いたようだ。

まだ降りる場所ではないので、ドアからできるだけ離れつつ、降りる人、乗る人を眺める。

…乗る人が結構多かったせいか、電車は、あっという間に満員となった。

「わ…、狭い。」

「香奈、大丈夫?」

辰也はこんな人混みの中でも、しっかりと私の手を握って、離さないでいてくれる。

「うん、大丈夫…───わっ!」

対する私は、大丈夫、と言ったのに、全然大丈夫じゃなかった。

辰也が後ろから押されたらしく、二人の距離がもっと狭まったからだ。

私の後ろはちょうどドアだから、まるで壁ドンみたいな状況。

…お互い望んでないけど。
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