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傍は傍でも貴方の傍で。

第2章 入学早々。


予鈴が校内に鳴り響いた。

アーサー「あっ 俺、これから移動教室だ! じゃあ、俺行くけど、寄り道しないで教室いけよ?」

真鈴「寄り道なんてしないよっ もう、からかわないでよ」

アーサー君は、ちょっぴり悪戯な笑顔を見せ、走って行ってしまった。


私も、小走りをして教室に向かった。








あっという間に放課後になった。
裏庭の、お花畑のようなところでアーサー君を待っていた。
私は、昔から、ほとんど人と接せる事をしてこなかった。
いつでも一人、ずっと一人。


お父さんとお母さんまで死んでしまい、ずっと一人だった。
そんな時、手を差し伸べてくれたのがアーサー君だった。

『……俺ん家で暮らせよ。』

その言葉が暖かくて、ついつい、甘えてしまった。
その時にもらった、桃色のカチューシャもずっと手放せない。
いつでも、どんなときでも、私は、アーサー君と親友でいたいと思う。ずっと…

アーサー「真鈴! 悪ぃ、遅くなっちまった!  って、また泣いてんのか?今度は何があった!?」
必死で心配してくれるアーサー君。 でも私泣いてるつもりは……

目元を触ると、確かに涙がこぼれていた。
真鈴「う、ううん! 大丈夫、なんでもないよ」
アーサー「そ、そうか……?」
真鈴「うん、 心配してくれてありがとう じゃあ、帰ろっか」


でも、帰りたくない…………。
寮は一人になる。 寂しい。悲しい。 




怖い。
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