第1章 少女01
もう1人は、澄んだ青空のような髪色の少年。髪色と同じ綺麗な瞳が印象的だ。中学生くらいだろうか。しかしその幼げな顔に似合わず目はどこか虚ろというか感情が読めない。(元々私がそう読める方でもないが。)
脳髄をバチッと言うような花火が弾ける衝撃が走る。それと同時に書物のページを一ページずつめくる音も聞こえた。
刹那の出来事である故に全く収集が付かない。
少年は少し優しく微笑んで首を傾けると「大丈夫ですか。」と静かに声をかけた。その落ち着いた声は柔らかく、顔の割に大人びた印象を与えた。
「えっと・・・・。」
何をしゃべろうというのか。知らない場所で知らない人間が、当然のように話しかけてきている。
「?」
「まぁあれだけの熱だったんだもの。少しの記憶障害あってもおかしくないわ。」
か、勝手に話が進んで行っている・・・・。置いていかれている寂しさ。
というか、熱?なぜ?じゃあこの頭の包帯は?私が思い出した自転車は?
徐々に彼らの登場が頭をゴミ箱に捨てるようにする。なんだか考えるのも今ではいとう。
「41度の熱を出して倒れたんです。それで頭部を強打してケガをしたので、頭に包帯が巻かれています。」
「あ、ああ・・・。」
倒れるだなんて、そんな暑くてもやらなければならないことやらがああったのであろうか。
そんな事よりこの二名は私を知った風に話しているが、私は何一つ知りやしなかった。
どう説明すれば?私にはあなたたちがわからないんですが誰ですか、と素直に聞けばいいんだろうか。
いいや、聞いちゃえ。
「あ、あの。」