第5章 シンデレラ
次の日から、お城の使いが国中を駆け回り、手掛かりのガラスの靴が足にピッタリ合う娘を探しました。
でも、そのガラスの靴は魔法使いが木村の為だけに作ったものなので、他の人が履いても大き過ぎたり小さ過ぎたりと、ピッタリ合う人は1人も居ませんでした。
やがて、お城の使いは木村達の家にもやって来ました。
「さあ、この靴が足に入れば王子様の嫁はんや。頼むで」
「俺けっこー足デカイけど入るかなー?」
「フハッ。玉の輿がかかってんだ。無理矢理にでも履いてやるぜ」
しかし、義姉達はガラスの靴に足をギュウギュウと押し込みましたが、2人の足は大きかったので、どう頑張っても小さなガラスの靴には入りません。
「くそッ、こうなりゃ踵を切ってでも履いてやる…!」
「うわぁ…、花宮すげー執念…。俺はパス」
「オイ!親からもらった体を粗末にすんじゃねーよ!シバくぞ!!残念だけど、この家には昨日の女はいねーみたいだし、帰るわ」
お城の使いの1人である笠松がそう言って帰ろうとしたとき、木村が姿を現しました。
「私も履いてみて良いでしょうか…?」
それを聞いた義姉の2人は木村を嘲笑いました。
「何言ってんだ、バァカ!お前が入る訳ねぇだろ!」
「そうそう、入る訳あらへん……って、な!?」