第1章 Trick or Treat?
次に向かったのは真太郎の家。
ピンポーン___
インターフォンを鳴らして暫くすると、ガチャという音と共にドアが開いた。
「なっ、何なのだ!その破廉恥な格好は!!」
「破廉恥って…。何時代の人よ、アンタ……」
私の姿を見るなり赤面しながらワナワナと震える真太郎。
いつもより少し(だいぶ?)スカートが短いだけじゃん。
どんだけ純情なんだよ。
「ってゆーか、真太郎こそ何なの!燕尾服なんか着ちゃってさー。もろ黒執○のセバス○ャンじゃん!!何?何なの?狙ってんの?凄い似合ってるんだけど。ムカつく」
饒舌で一気に捲し立てる私に真太郎は面食らっている。
「友香、とりあえず落ち着け…。この服は今日のラッキーアイテムなのだよ」
「ハロウィンの日に燕尾服がラッキーアイテムって……。さすが、おは朝信者なだけあるね。うん、おは朝ありがとう」
○執事が好きな私は密かにガッツポーズをする。
「友香、お前さっきから変なのだよ…」
「気にしないで!……それより真太郎にお願いがあるんだけど」
「何だ?」
「『イエス、マイロード』って言ってみて」
「??……イエス、マイロード…なのだよ」
「プッ!“なのだよ”って……!やっぱ真太郎は真太郎だわ!」
ゲラゲラと笑い続ける私に、真太郎は怪訝な目を向けて「何が可笑しいのだよ」と言う。