第5章 シンデレラ
「あぁ、私も舞踏会へ行きたい。王子様にお会いしたいわ……」
木村は悲しくなってシクシクと泣き出しました。
その時、どこからか声がしました。
「木村っち、泣かないで」
「………誰?」
すると木村の目の前にやたらとキラキラした男の子が現れました。
「俺は魔法使いの黄瀬涼太っス!木村っち、キミはいつも仕事を頑張ってる良い子だから、そのご褒美に俺が舞踏会へ行かせてあげるっス!」
「本当に?」
「ほんと、ほんと!だから、まずは畑でカボチャを取ってきてほしいっス!」
木村は渋々黄瀬の言う通りに畑からカボチャを取ってくると、黄瀬はそのカボチャを魔法の杖で叩きました。
「3.2.1.シャララララーン☆」
するとそのカボチャがどんどん大きくなり、何と黄金の馬車になったではありませんか。
「まあ、立派な馬車!素敵ね!掛け声はともかく、貴方が本当の魔法使いということは分かったわ」
「まだまだこれからっスよ?俺の魔法は!さてと、馬車を引くには馬が必要なんで、そこのネズミ捕りからネズミを取り出してもらって良いっスか?俺触れないんで」
木村は男のクセにネズミも触れないのかと内心呆れながら取り出すと、黄瀬はそのネズミに魔法の杖で触りました。
すると5匹のネズミはみるみるうちに立派な白馬になりました。