第4章 オトメン青峰大輝
CASE.9 〜持ち物.2〜
「最近、肌の乾燥が凄いんだよね〜」
「ハァ?お前女子なんだから、もっとそーゆートコ気つかえよ」
木村の思わず出た愚痴に、青峰は訝しげな顔を向ける。
「青峰君には分かんないだよ!毎日毎日化粧水や乳液、美容液を塗らなくちゃいけない女子の気持ちが!!結構めんどくさいんだからね!!しかも、ちょっとサボっちゃっただけですぐ乾燥するし…」
木村は饒舌に捲し立てる。
「それに最近手までカサついてきちゃってさ〜。もうほんと嫌んなっちゃう……」
木村は両手をさすりながら、トホホと落ち込んだ様子を青峰に見せた。
そんな木村に青峰はホラよと、ある物を手渡す。
「えっ、これはもしかして……」
「ハンドクリーム」
「だから女子か!アンタは!!つーか、女子より女子だよ!!もう結構前のCASEから!!!」
「あん?人の親切にいちゃもんつけてんじゃねーよ」
木村はこの凶悪顔の男が何でハンドクリーム持ち歩いてんだよと心底思う。
「しかもそのクリーム保湿性は勿論だけどよ、美白有効成分のカモミラETが入ってっから、メラニンの生成抑えてくれんだよな!!」
「リップにしろハンドクリームにしろ、やたら美容成分に詳しいな、オイ!!つか、まだ美白気にしてんのかい!!もう手遅れだから!!アンタの肌すでにメラニンだらけだからぁあっ!!」
木村の悲痛な叫びが教室中に響き渡った。
9.美白に効くハンドクリームを常に持ち歩いていて、やけに美容成分に詳しいオトメン青峰大輝