第4章 オトメン青峰大輝
CASE.4 〜階段〜
「ほらっ、青峰君急いでっ!!」
「んな慌てなくても大丈夫だっつの」
木村と青峰は次の授業が移動教室だったにも関わらず、ついついクラスの教室で話し込んで(ちなみに恋話)いた為、時間ギリギリになってしまった。
「何余裕かましてんの!!そんなゆっくり歩いてたら間に合わないよっ!!ほらっ!!」
「あっ、オイ!!」
木村は青峰の手を掴み走り出す。
ちなみに木村に手を掴まれ青峰が赤面していることを彼女は気付いていない。
普通逆だろ、とゆうツッコミは最早愚問である。
そして、そのまま駆け出し2人が階段に差し掛かったところで事件は起きたのだ。
「おいっ、危ねぇぞ!!」
「これぐらい大丈夫だって!!」
木村は青峰の手を掴んだまま階段を駆け下りていく。
そして、案の定ズルッと嫌な効果音と共に、木村は階段を踏み外してしまった。
「うわあっ!?」
「キャッ!?」
木村の何とも色気のない悲鳴と、青峰の普段の低音ボイスからは想像できないような高い悲鳴が辺りに響く。
「ん?」
「ん?」
何とかずり落ちずに済んだ2人は同時に顔を見合わせた。
「あ、青峰君……今「キャッ」って言った……?」
「し、仕方ねぇだろ!!咄嗟に出ちまったんだから!!」
青峰は顔を赤くしながら木村からプイッと反らす。
反応もいちいち可愛いな、おい。
「今時「キャッ」なんて二次元と夢小説のヒロインぐらいしか言わねーよっ!!」
木村は思わず突っ込んだのであった。
4.つまずくと咄嗟に「キャッ」と悲鳴を上げてしまうオトメン青峰大輝