第1章 Trick or Treat?
「では、これは僕からの提案なんだが…。ハロウィンの当日、必ず何かしらの仮装をして参加する、というのはどうだ?」
「コスプレっスね!良いんじゃないっスか♪」
「おい、どっちにしろ面倒臭ェじゃねーか…」
「大輝、僕の言うことは?」
「…………ゼッターイ」
「分かっているなら良いんだ。じゃあ決まりだな」
征十郎は満足気に頷いた。
っていうか、提案と言っておきながら拒否権無かったよね?
そんなこんなで帝光中バスケ部のハロウインイベントが開催されることになった。
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で、今に至るという訳だ。
ハロウィンぎりきりまで私は衣装に悩んでいたのだが、征十郎の助言(っていうか用意してくれた)もあり、天使のコスプレをすることになった。
征十郎は意外とこういうのが趣味なのだろうか?
(皆どんなコスプレしてるんだろ〜?楽しみ♪)
想像つかないキセキの世代達のコスプレ姿に、私はウキウキしていた。
「とりあえず、誰の家から行こっかな…」
手を組みながらウーンと迷う。
「ここはやっぱり、THE☆何もかもが平均的な男、黒子テツヤの家からお邪魔しますか‼︎ 色々と無難そうだし」
失礼な発言をかましつつ、私はテツヤの家へ向かった。