第2章 ヘンゼルとグレーテル
数日後、お父さんとお母さんは、また子ども達を別の森へ連れて行きました。
それがあまりに急だったので、大輝は白い小石を拾う暇がありませんでした。
(ヤベェな…。何か目印になるモン落とさねーと……)
そこで大輝はお弁当のパンを細かくちぎって、それを目印に道のところどころへ落としておきました。
ところがこれは失敗でした。
置いてけぼりにされた2人が帰ろうとすると、目印のパンが無くなっているのです。
月は前の時よりも明るく照らしているのに、パンはひとかけらも見あたりません。
それもそのはずで、昼のうちに森の小鳥達がパンを食べてしまったのです。
2人はついに迷子になってしまいました。
「どこへ行けば良いのかな…?」
「コッチだ!!」
「えっ、だいちゃん何で分かるの!?」
「勘だ」
「えぇぇぇ…!?(すっごい不安…)」
2人はあっちの道、こっちの道と、一晩中歩きまわりました。