第2章 ヘンゼルとグレーテル
そのうちに4人は目的の場所へやってきました。
ここは、深い深い森の中です。
「一旦休憩するか。お前ら、小枝を集めてきてくれ」
「俺に指図すんじゃねーよ」
またもや大輝の反抗的な言葉にお父さんが怒ってしまい一悶着ありましたが、無事たくさんの小枝を集め終えると、お父さんが火をつけて焚き火を起こしました。
「寒くねぇよーに、お前らは焚き火に当たって待ってろ。俺と黒子は、この近くで木切ってっから。仕事が済んだらまた呼びに戻ってくる」
お父さんはそう言うと、お母さんと森の中へ消えていきました。
やがてお昼になり、2人はお弁当のパンを食べました。
小さなパンは、あっという間に無くなりました。
「コレだけで足りるかっての」
「仕方ないでしょ。うちは貧乏なんだから…」
「ふぁ〜あ……。つか、ねみぃ……」
「朝早かったもんね」
お父さんとお母さんを待ちくたびれて退屈した子ども達は、横になるといつの間にかぐっすり眠ってしまいました。
そのうちに火が消えて寒さに震えながら目を覚ますと、辺りはすっかり暗くなっています。
「結構、寝ちまったな…」
「テツ君達戻ってこないね……」
「あぁ…」