• テキストサイズ

クロバス+タイム【黒バス】

第2章 ヘンゼルとグレーテル





「じゃあ、このまま4人とも死にますか?僕は嫌です。このまま死ぬのを待つなんて」

「っ……」



悲しいお話ですが、この時代にはよくこんな事がありました。
食べ物がないために子どもを殺したり、僅かなお金で子どもを人買いに売ったりする親もいましたから、この両親はまだマシな方かもしれません。





さて、この2人の話を、隣の部屋の子ども達はちゃっかり聞いていました。
普通ならとっくに寝ている時間ですが、なにしろお腹がペコペコだったので、寝るに寝られなかったのです。



両親の話を聞いていた妹のさつきは、悲しくてシクシクと泣き出してしまいました。

「だいちゃん、どうしよう……っ。私達捨てられちゃう……っ」

「うっせーぞ、さつき!ピーピーピーピー泣いてんじゃねーよ」

兄の大輝は口は悪いですが、本当は妹想いの優しいお兄さんです。



そして、さつきを慰めるように頭を乱暴にクシャクシャに撫でた後、何かを思い付いたように言いました。

「良い方法がある!これで火神達に捨てられても、家に帰ってこれるぜ?」

「ほんと…?」

大輝は「おう!」とニヤリと笑い、窓から外へ抜け出して、道に落ちている白い小石を集めした。



/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp