第1章 Trick or Treat?
最後に向かったのは、我らがラスボス征十郎の家だ。
私の前に建つ立派な家は、心無しか永遠にクリアできない迷宮(ダンジョン)に見える。
っていうか、インターフォンすら押しににくいんですけど。
ラスボスの前に強キャラ(お目付役)出てきそうで怖いんですけど。
私が覚悟を決めてインターフォンを押すと、意外にも応えてくれたのはラスボ…征十郎本人で、玄関への迎えも征十郎が来てくれた。
「やあ、木村。そろそろ来る頃だと思っていたよ」
「……征十郎には何でもお見通しだね」
余裕な表情で佇む征十郎を見て、やっぱりラスボスだな、と再認識する。
「それにしても征十郎の仮装、凄いね……」
「そうかい?ありがとう。オーダーメイドで用意させたんだ。ちなみに木村の衣装もだよ?」
そう言って、フッと笑う征十郎。
おい、ちょっと待て。
私のもオーダーメイドってどーゆーこと!?
サイズとかやけにピッタリだったんですけどー!?
ちょっと(いやかなり)怖いんですけどー!?
ちなみに征十郎の仮装は所謂“悪魔”そのもので、立派な角に大きな羽まで生えている。
すげぇクオリティだな、おい。
よくそんなモンあったなと感心してしまう程だ。
っていうか征十郎がそういうカッコしてると、悪魔というより魔王って感じなんですけど……。
いや、それよりもやっぱり征十郎って厨二びょ(ry