第1章 Trick or Treat?
「チッ…。もう少しだったのによー」
「もう少しとかないから」
「木村ちゃん、ほんとごめんねー?あっ、お詫びにお菓子あげるね♪」
はい、と渡されたのは綺麗にラッピングされたお菓子(のようなモノ)。
半透明な袋からは、ダークマターらしきモノが透けて見えている。
「さつき、コレ……」
「うん、かぼちゃクッキーだよ♡」
かぼちゃクッキー?
いいや、違う。
これは明らかにダークマ(ry
「木村、死ぬなよ?」
面白そうにニヤニヤと笑う大輝をギロリと睨む。
いや、でも確かにさつきのお菓子を食べるのは生死に関わる。
だからといって、こんな可愛いさつきの親切を受け取らない訳にはいかない。
……うん、食べて死のう。←
「ありがと、さつき♪ 家に帰ってから食べるね」
「木村、お前さすがだな…」
「さすがってどういうことー?あ、ちゃんと青峰君の分もあるからね?」
さつきの発言に大輝は顔を青くし、私がニヤリと笑ったのは言うまでもない。
それから別れの挨拶と「ハッピーハロウィン♪」という言葉も忘れずに言い、私は大輝の家を後にした。