第2章 彼女にとってのその日
「エルヴィン、
ちょっと苦しい。」
「あぁ、すまない。」
やっとエルヴィンの顔を
見ることができた。
「エルヴィンにやにやしてる。」
私も釣られて口角があがる。
すっかり目も覚めてしまった。
「自分の誕生日なんて
すっかり忘れていたよ。
その言葉を言うために
起きていてくれたのか?」
「うん。
1番に言いたかった。」
「こんなに嬉しいものなんだな。」
「そんなに?」
「あぁ。自分でも驚く程に嬉しいみたいだ。」
「なら頑張った甲斐があった。」
目標を達成して安心すると、
再び睡魔に襲われた。
幸せな気分に
また浸っていたかったが
ベッドの幸せを選んだ。
ベッドに倒れこむと、
先ほどより薄く柔らかい
エルヴィンの匂いに再び包まれた。