第2章 彼女にとってのその日
「リナ。
まだしばらく終わらないから、
先に寝てなさい。」
もう諦めかけた時に
声をかけられ、少し目が覚めた。
「まだかかるの?
でもダメ。起きてる。」
もう眠くて
ちゃんと話せているかもわからない。
エルヴィンが小さく笑って
立ち上がり、
私の潜るベッドへ腰掛けた。
この時、
私はエルヴィンが悪魔に見えた。
こんな状況で
そんな暖かい手で頭を撫でられたら、
完全に意識を失うに決まっている。
飛びそうな意識の中、
頭上の時計に目を移す。
あと1分ちょっと。
もう少し。