第1章 師団長と団長
「あの、お布団用意するんで、
そろそろ寝ましょう?ね?」
「キス、してもいいか?」
やっぱり様子がおかしい。
何度か会ったことはあるが、
常に紳士的なイメージだ。
こんな、
本能に素直な
イメージはなかった。
エルヴィンの胸を
より強く押し返すものの、
明らかな体格差の前では
ただの無駄な労力となった。
むしろ、
ただでさえ近かった距離が
更に縮まる。
もうお互いの吐息が触れ合い、
自分の心臓の音しか聞こえない。
「ダメです!!!」
咄嗟に全力を使って、
胸ではなく
エルヴィンの口を手で塞いだ。