第2章 Chapter 1
いつもの木陰で遠くを見つめ、うとうとしていたリヴァは
「リヴァ・スターラー」
突然呼ばれた自分の名前に、ひどく驚いた。
「っ、あ」
そこに立っていた人物に目を見張る。
(な、なんでアンベル先生がここに?ここはこの学園の生徒も見過ごすような場所なのに…)
そんな視線を笑顔で受け流したアンベルはリヴァの隣に腰を下ろした。
わかりやすく、リヴァの体が強張る。
「探しましたよ。どうしてすぐに教室を出ていってしまったのです?」
「…………ぅ、そ、れは…」
その質問には答えずに、リヴァは黙りこんだ。
「では、なんであなたは1つ星にも関わらず、まだここにいるのですか?」
「………………」
再び長い沈黙が降りる。
アンベルは小さなため息をついた。
(この質問にも、答えてくれませんか…)
そう考えていた時だ。
「……………いけないから」
静かにリヴァが呟いた。
「え?」
「本当はディファクターなんてなりたくないけど、私はここに居ないといけないから」
「……それはどういうことですか」
「…………………」
アンベルの更なる追及は
「きゃあああ!」
聞こえてきた悲鳴によって、リヴァから答えを貰うことはなかった。