• テキストサイズ

アースト・レディ

第2章  Chapter 1


昼休みになった瞬間、教室から出ていくリヴァ。

「あっ君、待っ…」

「アンベル先生~お話しましょうよ~」
「アンベル先生って恋人いるんですか?」
「先生の好きなタイプって……」


追いかけようとした途端に周りを女子に囲まれる。


(困りましたね。この様子だと、当分離してもらえそうにありません。…………仕方ない)



「私の好きなタイプですか?物静かでおしとやかな女性です。積極的な人は苦手ですね」

そう言えば、さっきまで群がってた女子たちは一斉に散っていった。


その様子に思わず苦笑が漏れる。



(さて、リヴァ・スターラーを探さなくては)

アンベルは窓際に立ち、左目を片手で覆った。


数秒後、その手を外すと

綺麗なサファイア色の瞳は

左目だけ鮮やかな金色に輝いていた。



その目で校庭を見下ろし、辺りを探ると


大きな、もう役目を終えた桜の木の後ろに見つけた。

小柄な身長の片目を眼帯で隠している少女を。


古い本を開いているにも関わらず、その視線はどこか違うところを見ている。






普通なら認識出来ないような距離だが、アンベルの金色の瞳にはリヴァの様子がはっきりと見てとれた。
/ 9ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp