第2章 Chapter 1
昼休みになった瞬間、教室から出ていくリヴァ。
「あっ君、待っ…」
「アンベル先生~お話しましょうよ~」
「アンベル先生って恋人いるんですか?」
「先生の好きなタイプって……」
追いかけようとした途端に周りを女子に囲まれる。
(困りましたね。この様子だと、当分離してもらえそうにありません。…………仕方ない)
「私の好きなタイプですか?物静かでおしとやかな女性です。積極的な人は苦手ですね」
そう言えば、さっきまで群がってた女子たちは一斉に散っていった。
その様子に思わず苦笑が漏れる。
(さて、リヴァ・スターラーを探さなくては)
アンベルは窓際に立ち、左目を片手で覆った。
数秒後、その手を外すと
綺麗なサファイア色の瞳は
左目だけ鮮やかな金色に輝いていた。
その目で校庭を見下ろし、辺りを探ると
大きな、もう役目を終えた桜の木の後ろに見つけた。
小柄な身長の片目を眼帯で隠している少女を。
古い本を開いているにも関わらず、その視線はどこか違うところを見ている。
普通なら認識出来ないような距離だが、アンベルの金色の瞳にはリヴァの様子がはっきりと見てとれた。