第2章 Chapter 1
リヴァが印象深く残ったのは、態度だけが原因じゃない。
アンベルはそっとリヴァの胸元に視線を這わせた。
(1つ星……)
ディファクター養成学校の生徒たちは本物のディファクターと同じようにランク付されている。
その生徒の実力は胸元につけられた星の数を見ればすぐにわかる。
★5つが最高ランク。
優れた才能を持ち、今すぐにでもディファクターになれる素質を持っている者に与えられる。
それ以後は星の数が少なくなるにつれて実力は低くなっていく。
なかでも1つ星は珍しい。
なぜなら、1つ星は
運動機能も特に優れておらず、特殊な能力も無い。
ディファクターになれる可能性がほぼ無いものに与えられる称号だったからだ。
1つ星を与えられるような者はそもそもディファクターを目指さないし、
目指したとしても、1つ星を与えられた時点ですぐに学校を辞めていくものが大半だ。
しかし、リヴァが二年生ということは
1つ星を与えられたにも関わらず、一年をこの学校で過ごしたということ。
(どうやら、問題児とは彼女のことのようですね)
何故か、と言われれば答えることは出来ない。
いつもの予感だ。
アンベルは
リヴァのことを放っておいてはいけない気がした。