第3章 繋げる扉?
わざわざ、ドア越しで待つなんて現実のようだ。
自由自在で夢を作れるナイトメアが、こんな演出する意図が理解か出来ない。
(どうゆうことなの? まさか)
頭の片隅に、先刻まで考えてたことがある、小さな可能性の話の。
(いえ、でも、そんな。 可能性と言っても『あり得ない』に近い、本当な微かなもののはずで・・・)
ナイトメア「アリス? 聞いているか?」
返事かなくて心配になったのか、どこか不安げな声が再び届く。
私は慌ててエプロンドレスを身につけながら答える。
アリス「少しだけ待っていて、すぐに開けるわ」
とりあえず、ドアの向こう側にナイトメアがいることは間違いない。
まずは彼の顔を見るのが先決だ。
廊下からは「分かった」という返事が返ってくる。 着替えを済ませて、壁に掛けてる鏡でさっと見なりを確認して、ドアに歩み寄った。
無意識のうちにごくんと息を飲みながら、ドアを開ける。
そこに立っていたのは、間違えなくナイトメアだった。
ナイトメア「急がせてしまったかな、すまなかった」
アリス「ナイトメア」
先刻から、壊れた玩具のように彼の名前しか呼んでいない。
しかし言葉がでない混乱してて何を聞けばいいかわからない。
ナイトメア「アリスが混乱するのも、無理もない。 私達が会うのは夢でしかあり得なかった」
そう言うナイトメアの服装は、普段と異なっていた。
普段は肩の部分が空いたコスチュームめいた服だが、今はスーツ姿だ。
袖にフリルをあしらったシャツに、金糸の詩集が施されたジャケット。
デザインといい質感といい、一目見て上質だと分かった。
ナイトメア「とりあえず、アリスの迷惑でなければ、部屋に入れてもらえないだろうか戸口で立ち話というのはなんだろう」
アリス「分かったわ、いえ、なんだかさっぱり分からないけどどうぞ入って」
ナイトメア「ありがとう、失礼してお邪魔するよ」
ドアを閉めて、ナイトメアの傍まで歩み寄る。
疑問はあるが、何を置いても訪ねたいことは一つ。
アリス「これは夢なんでしょう? そうよね???」
先刻と同じ問いを、今度も問い掛ける。 だが、すんなりと答えてくれない。