第3章 繋げる扉?
ハンプティ「早くおいで、クレイジー・ストーム。 すべてを狂わし、自分も狂った楽しい嵐」
ダンプティ「ハートの国がおかしくなる、嵐に飲み込まれて、踊りだす!」
まるでまちのぞんだ友人のようだ。
???「アリス。 アリス!!」
トントンとノックの音が続く、段々と強くなる。
おぼろげだがだったが、意識がかたちを取り戻す、はっきりとしてくる重い瞼を、ゆっくりとあけた。
???「アリス。 気分でも悪いじゃないだろな、大丈夫か?」
(ゴーランド?)
ノックの主はゴーランドのようだ、目覚めたばかりだが、なんだか心配そうな声なので分かった。
床に寝ていた、起き上がり夢を見ていたことを思い出す。
ゴーランド「アリス?」
再度の呼びかけに、ドアまでいき、薄めに扉を開けた。
アリス「ごめんなさい、私寝ていた」
ゴーランド「アリス! よかった起きたか」
心配させてしまったようだ。
アリス「ごめんなさい」
ゴーランド「別にいいが、2回ほど来ているんだ、一回目で応答がなかったから間を空けて、も一度な」
アリス「二回も? そうだったんだ」
今が二回目、1度目は気がつかなかったということだ。
ゴーランド「体調が悪いのか? 見た所、顔色は悪くはないな」
アリス「平気よ、具合は悪くはない」
私がそう言うと肩の力を抜いた。
アリス「何か用事? 仕事絡み?」
ゴーランド「ボリスか熱を出して、寝込んでるから舞台の相談にな」
アリス「えぇ、直ぐに行くわ」
戸口で立ったまま、しばらくそんな会話を交わす。
途中で、明るかったゴーランドの表情かふと曇った。
アリス「どうしたの?」
ゴーランド「なかなか起きなかったのは、夢魔と会っていたからか?」
アリス「なんで?」
突然の問いかけに、混乱して理由を聞いてしまう。
眼鏡越しに瞳をまじまじと見返す。
ゴーランド「相変わらず、あいつとよく会ってあるんだろう? 今回もあいつが引き留めたとか」
アリス「それは・・・」
ゴーランドは私とナイトメアが親しいと、知っている。
ゴーランド「慌しい時期だと、分かってるだろうに。 こんな時まで、アリスを夢の中まで引き止めようとするとは」
すぐに否定しなかったから、ゴーランドに思い込みをさせてしまった。