第3章 繋げる扉?
私はグレイにお礼を言って、ドアがある森に戻りドア越しで言う。
アリス「ボリス!!」
ドアが勝手に開いて、中ではボリスが待っていた。
中に入り眩しい光がまた、差し込む。
遊園地のBGMが聞こえて、ボリスは言う。
ボリス「どう? ナイトメアに会えた?」
アリス「ううん、会えなかった部下にあったわ」
ボリス「グレイさんに?」
私が頷くとボリスは、体がフラフラして部屋からどこかに行ってしまった。
心配になるが、眠い床に倒れる。
目にしている光景を見て、不思議に思う。
夜だ・・・・・、藍色の空に、無数の星が瞬いてる。
気のせいか、ハートの国より鮮明で星の数も多いような気がした。
星空の下にあるのは、重厚な石造りの門。
その先には窓に明かりの灯った、城も見えている。
城と言ってもハートの城ではなく、見覚えのない城だ。
空に向かってそびえる、城門と思わしき門を、私は見下ろしていた。
何故だろうか?
城門を上から見下ろすなんて、おかしい。
一体私はどこにいるのだろうか。
しかもおかしのはそれだけではない。
門の上では、二体の不思議な生き物。
人形のような、手足の生えた卵が騒いでいる。
片方はラッパを吹き鳴らし、もう一方は手持ち花火を打ち上げ。
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、歌うように騒いでいた。
ハンプティ「風が吹いた、風が吹いた! 前触れの風・・・、あそこにも、 嵐はもうすぐだね」
ダンプティ「ああ、もうすぐだ。 いよいよあそこにも嵐が来る!」
(そうか。 これは、また夢だわ)
いつ眠りに落ちたのか、定かではない。
夢をみているのだから、転寝でもしているのだろう。
何かのマスコットかと思うような、卵に手足が生えた、おかしな二人組。
眺めているうちに、以前にも夢でみたことかあると思い出す。
ハンプティ「嵐がくれば、全てが狂う。 正しいものは間違って、間違ったものは正されて、全てがおしくなる」
続けて嬉しそうに話す。
ハンプティ「狂う狂う。 くるくる狂う。
くるくる回って、くるくる狂う」
ダンプティ「回りながら、狂ってく。 回しながら、狂わせてく、嵐がきたらみんな嘘つき、嘘つきでデタラメな時間の始まりだ」
何がそんなに嬉しいのかと、思うほど、楽しげに。
奇妙な卵は歌うように、飽きるほどなく騒いでいた。