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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第19章 夏の大会


夏の大会、青道はシード校のため、第二試合から始まる。

「メガホン配り終わりました!!」
「応援の歌詞カード配りました!!」
「女子団部は準備OKです!!」
「吹部もです!!」


スタンドに降り注ぐ太陽光。

(やっぱり、暑いな)

額にじんわりと汗が浮かぶ。まあ、学ラン着ているから人よりかは暑いか。
一般生徒も応援に来てくれている。

「木下さんじゃーん! 応援団かっこいーねー!」
「あ、ありがとうございます!!」

クラスメイトの女子も見に来ているようで、声をかけてくれる。

(今日は大事な初戦! ……投手に不安は残るけど、信じるしかないんだ)



夏前に、 青道は稲城実業と練習試合を組んだことがある。他に1校呼んで、3校で練習試合をしていた。私はその場にいなかったからわからないけど、稲城実業ではない方の学校と試合をしていた際、ピッチャーの丹波先輩の顔面にボールが当たり、負傷退場したらしい。
夏までに間に合わせたい様子だったけど、準準決勝くらいじゃないと登板できなさそうだ。

(ピッチャーは1年の降谷君。頑張れ!!)


「失礼します! 自己紹介をさせてーーいただきます! 失礼します! 自分は青道高等学校男子応援団部団長を務めております、木下結でーーございます! 未熟、者、ではございますが、今後とも、よろしくーーお願いします!!」

観客たちへの自己紹介。私に続いてリューマや太郎も行う。

「まず、最初にエール交換を……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

青道高校の校歌が流れる。そう、勝ったのだ。

(課題はいっぱいありそうだけど、丹波さん不在で投げ切れたんだから……)

既にパンパンに重くなった腕を上げ、校歌のフリをする。
フェンス越しに選手たちが私たちにお礼の挨拶をし、それぞれベンチに戻っていく。

(甲子園に向けて、まず一勝だね)

ベンチに入る前、御幸はふと立ち止まって私を見上げる。

「!」

ニカっと笑い、言葉も発さずにベンチに戻っていった。

(御幸らしいや)










続く3回戦の都立村田東高校にも快勝。


青道は4回戦を迎える……。
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