• テキストサイズ

詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第17章 春の大会 〜初陣〜


「なっ……なっ、何を言って……!」

予想外予想外。御幸の裏表のない笑みが他の誰でもなく、私に向けられるだなんて! それに、甘やかすって何をしてくれるの?
口をパクパク動かしてると、御幸の大きな手が私の頭に置かれる。

「何でも言ってくれよ。何が食べたいーとか、これが飲みたいーとか」

「御幸がそばにいてくれてるだけでいいよ」

「えっ」

「一人じゃ、寂しい」

思わず本音が漏れた。
御幸はそんな私を馬鹿になんかしないで、「そっか」と先程よりも私との距離を詰めてきてくれた。
私はもう一度ベッドに倒れ、御幸の手をとる。

(うわあ……)

手が全体的に黒ずんでいる。あちこちに豆があって、潰れてしまったもの、固くなったもの、新しくできたもの。
素振りを毎日続けている証拠なんだ。

「悪いな、汚い手だろ?」

「ううん、高校球児の手はこうじゃなきゃ。この豆は全部努力の結晶、汚いわけないよ」

彼を知れば知るほど、好きになっていく。

(大好き、だよ)






「木下……」










あれ、今、私……。










(御幸の腕の中にいる)



体を持ち上げられたのではなく、御幸は私に覆い被さり、背中に片腕を回してきたのだ。そして、もう片方の手は私の頬に。

「御幸……」








「木下、好きだ」
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp