• テキストサイズ

詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第15章 お騒がせな新入生達


「御幸には、関係ないよ」

私は御幸の顔を見ずにそう言い放った。そんな言葉で御幸が納得するはずもなく、私の腕を掴む。

「俺に関係ない? 明らかに俺が関係してんだろ!」

「怪我したのは私だから、御幸じゃないから」

「何だよ、それ……」

自分でも言い過ぎたと思う。それでも、御幸がこの問題に介入するよりかはマシだ。
御幸は顔を歪ませ、私の腕をそっと離した。

「俺はそんなに頼りないのか」

力ない声。きっと、私は御幸に嫌われた。

(嫌われても、いい。応援はいつでも一方通行だから。本人に好かれなくても、結果が出ればいいんだから)

「俺、練習に戻りますけど、先輩どうしますか」

「そうだね、俺も戻ろうかな。木下さん、一人で大丈夫?」

亮介先輩に訊かれ、私は元気よく頷いた。

「頭打ったのにそんな勢いで頷いたらダメでしょ。ま、おかしいと思ったらすぐ病院行きなよ」

「はい。助けてくれて、ありがとうございました」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

二人が去ってから、入れ違いで花野さんと鈴村さんが入ってきた。

(!)

花野さんは青ざめた顔で私を見る。

「……ごめんなさい。頭、大丈夫ですか」

「あ、はい。今のところは」

あえて吐いたことは伏せておく。

「……女子応援団部は男子応援団部と合同練習するわ。本番も力を合わせて応援しましょう」

(……)

「それは、私に対する罪悪感からですか」

私の疑問に、花野さんは顔を歪ませる。

「……そうね」

「それはあまり良い形とは言えない。でも、ありがたくこの機会を使わせてもらいます。いつか、お互いを高め合って精一杯応援できるように……。私も、頑張りますから」

私がそう言い切ると、鈴村さんが私の胸に飛び込んできた!

「ごめんなさい先輩! 私が真実とは言え、生意気な口をきいたから先輩がっ……」

「鈴村さんは悪くないよ。私も覚悟の上でしたことだし。お互い頑張ろう」

こうして、無理矢理ながらも女子応援団部と繋がることができた。











ただ、御幸との間にできた溝。その存在が苦しかった。
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp