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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第15章 お騒がせな新入生達


「げ……先生いないじゃん」

小湊先輩は私のことをベッドに下ろし、困ったように辺りを見回した。

(!)

「先輩……ビニール、くだ、さい」

「気持ち悪いの?!」

今すぐにでも戻してしまいそう。苦しい。
小湊先輩が黒いビニールを持ってきてくれて、私は思いっきり嘔吐した。

「頭を打った直後に嘔吐はヤバイな、誰か先生を呼ばないと……」

「大丈夫です……。なんか、吐いたらスッキリしました」

私はビニール袋をきつく閉じ、水道で口をゆすいだ。

「しばらくここで安静にしていて。あと、頭を打った後は風呂は控えた方がいいよ」

小湊先輩は私をベッドに座らせ、自身も隣に座ってきた。

「……ありがとうございます」

「気にしないで。……頬の傷は消毒してから絆創膏かな」

小湊先輩は私の頬の傷に消毒液を浸した綿を当て、絆創膏を貼り付けてくれた。

「で? 何でこんなことになったの」

小湊先輩は黒い笑みを浮かべている。

(真実を伝えたら花野さん大丈夫なのかな)

少し戸惑ったけど、伝えることにした。





……案の定、小湊先輩には只ならぬオーラが溢れ出してきた。

「御幸絡みで女が、ねえ。しかも応援団が? へえ……」

「こ、小湊先輩! 大丈夫ですから!」

「亮介先輩、ね。今年から弟が入ってきたから、紛らわしいんだよね」

「え、弟さんがいるんですか?」

「小湊春市。野球部で守備位置はセカンド」

などと会話が始まる。
会話が弾んでしばらくしてから、保健室のドアが開く。



「あれ、木下……?」




御幸が目を見開いて立っている。

「あれ、御幸じゃん。どうしたの?」

「テーピングが切れてて、保健室になら余りがあるかと。てか、何で木下と亮介先輩が……?」

「安心して? 密会とかじゃないから」

(言わないで、亮介先輩)



「木下が御幸絡みで女に絡まれたらしくてね。平手打ちを食らった上に倒れこんで頭打って、さっき吐いたところだよ」




(亮介先輩!!)

御幸の顔が険しくなる。そして、私を睨むように見てくる。

「どういうことだよ、それ……」



(嫌だよ、御幸にばれたら……。それに、こんなところで揉め事を起こしてる場合じゃないのに。みんなで、いう力を合わせて応援しなきゃいけないのに!)

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