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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第15章 お騒がせな新入生達


次の日、私は柄にもなく緊張していた。

(今日こそ、女子応援団部の人に話をつけに行くんだ!)

1年の時から険悪だった女子応援団部の人を味方につけない限り、最高の応援はできない。

(絶対、味方につけなきゃ)


「すんげー怖い顔してんぞ、木下」

目の前でおにぎりを頬張る倉持。

「き、緊張してるんだよ。女子応援団部の人と仲良くできるか……」

「女子応援団っていったら、なんかすげー後輩が入ってきたらしいぜ?」

倉持のぼやきに、御幸がビクッと肩を震わせる。




「かぁーずぅーやぁーせんぱーーい!! 手作りのお弁当作ってきたんで、一緒に食べましょーー!!」




「?!」

教室の入り口に立つ少女。黒髪ロングのポニーテールで、身長もそこそこ高い。しかも、美人さん。

「あいつだよ、御幸の彼女名乗ってる元気な女子応援団部1年」

御幸はガタッと席を立ち、倉持の背中に隠れる。

「一也先輩! 照れ屋さんなんですか?! そうなんですね! そんな一也先輩も素敵ですっ」

(しかも、超ポジティブ)

「照れ屋でもなんでもねーよ! だいたい、お前誰だよっ」

御幸にしては珍しい焦った声。

「1年、鈴村亜美です!一也先輩の、彼女になる予定の者です!!」

「ふざけんな!」

鈴村さんはズカズカと教室に入ってきて、御幸の席に弁当を広げる。

「栄養バランスも考えて作りました。どうぞ、彼女弁当です!」

倉持も私も唖然。しかも、私達が目の前にいるのに鈴村さんの視界には御幸しか入っていないらしい。

「……倉持、一緒に屋上でご飯食べない?」

「奇遇だな、俺もそう言おうと思ったんだぜ」

私と倉持は同時に席を立つ。

「おい、ちょっ……二人してどこに!」


「せいぜい楽しいお食事をどうぞ。彼女弁当食べてれば?」


なぜか刺々しい言い方になってしまった。

(だって……)

心臓が痛い。むしゃくしゃするし、モヤモヤもする。
あの子が本当に御幸の彼女になったら、私は笑って祝福できるのだろうか。



(3年まで告白を待ったとしても、その時には御幸は彼女いるのかもしれないんだよね)
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