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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第15章 お騒がせな新入生達


午後の授業は全校集会のみ。ここで部活動ガイダンスを行うことになっている。
おそらく、野球部などの強豪の部活は事前に入部届が出されているだろう。


(……よし)


舞台裏、数々の部活動の部員達がそれぞれユニフォームを着たり、楽器を持ったりしてスタンバイしている。
私も学ランのホックをしめ、腕章をつけ直し、髪の毛も結び直した。白手(白い手袋)をはめ、準備はバッチリ。

『それでは、生徒会主催、部活動ガイダンスを始めます。良い高校生活にするために、このガイダンスを目に焼き付け、部活動選択に生かしましょう! ……野球部の皆さん、お願いします』


トップバッターは野球部。キャプテンの結城先輩を筆頭に3年生たちが舞台に上がる。

(私は15番……女子応援団部の次……)



『続いて、男子応援団部の皆さ……、あ、皆さんじゃないですね。男子応援団部! よろしくお願いします』

(嫌だな、生徒会の人の言い直し方)

応援団部は背筋を曲げてはいけない。羞恥心は捨てる。常に自分の全力を届ける。
舞台の真ん中に立ち、肩幅に足を開く。視界にたくさんの新入生が入る。

「あれ、1人?」「女子団部は人数いたのに……」

少しのどよめき。
大丈夫、きっと人数増えるから。

(私の声を、応援を、想いを、聞けっ!!)


「男子応援団部団長2ねーーーん!! 木下結ーー!! この通りーー! 男子応援団部は人数不足だーー!! だがしかーーし!!人が少なくても応援はできるーー!! 冷やかしはいらなーーーい!! 」

額に浮かんでいた汗が頬を伝う。

「本気で青道生を応援したい者にーー!! 入ってきてほしいーーっ!!」

そこで一息つき、もう一度みんなに向き直る。

「フレェェェェェェ!! フレェェェェェェ!! せ、い、ど、ぉーーー!!」

喉がヒリヒリする。焼け付くようだ。
私は勢いよく頭を下げる。

「ありがとうございました!!」

そして、顔を上げる。

「失礼します!!」

そこまでの行程を終え、私は舞台袖に戻っていった。


「ハァっ……ハァっ!!」

どっと両膝をつき、肩で呼吸をする。

(……!)


割れんばかりの拍手が鳴り響いている。私に対しての、拍手が鳴っている。

「届い、た……!」


涙があふれた。
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