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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第12章 進級までの5ヶ月(バレンタイン編) ※主に御幸side


Miyuki side


「はいっ! 御幸君!」「明日渡せないからさ!」「不味かったらごめんね!」

「サンキュー」「わざわざありがとな」「不味くなんかねーって」

今日は2月13日、バレンタインデーの前日だ。けど、受験日の関係もあって、青道の今年のバレンタインは今日になった。

朝登校してきてから、朝のホームルーム開始までに既に3つは受け取ったプレゼント。おそらく、昼休みにはまたもらうんだろうな、とか考える。

(バレンタインって、好きな人にチョコとか贈り物あげるんだよな、日本では)

けどまあ、普段から無愛想(少しは自覚している)な為か、告白してくる女子生徒はいない。

「イケメンムカつくな! 俺もあの子からもらいたかったー!!」

なんて、普段話さない男子にも絡まれたりもする。

(貰ったら貰ったで返さねーといけないからな)

ただ、俺のために作ってくれたんだ。あとで美味しく頂こう。

(そーいや、あいつは作ってきたのか?)

あいつ……というのは、男子応援団部に所属する女子……木下結のこと。
木下に視線を向けると、何やら倉持と話し込んでいる。あの様子じゃ、バレンタインのことなんて頭になさそうだ。

(何を期待してんだ、俺)


「まじで?!」


一際大きい声をあげて嬉しそうに笑った倉持と、それを見て微笑む木下。

(何、話してんだろうな)

割って入る気はしないけど、なんとなく……なんとなく気になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

放課後、倉持が俺の部屋に遊びに来た。

「よぉ御幸、来てやったぜ!」

「呼んでねーけどな」

心なしかテンションの高い倉持が俺には不気味に思える。

「なんか企んでるんじゃないだろうな?」

念を押すように聞くが、倉持は「んなことねーよ」と嬉しそうに笑うだけだ。

「なんか良いことあったのか?」



「木下が俺にバレンタインくれるってよ!!」


「……ふーん、よかったじゃねえか」

「お前はもらい慣れてるかもしんねーが、俺、同学年の女子から貰うの初めてなんだよ!! だから、嬉しくて、よ」

なんだか、ムカムカしてきた。吐き気にも似た嫌悪感をかき消すように、俺は今日貰ったチョコを頬張る。


「食う?」

「いらねーよ!!」
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