第9章 野球部秋の新人戦! ……の前に
「応援団に誘わなきゃよかった」
そんなこと言わないで。
応援団に入ってから、私の目には鮮やかな色の空が映っていた。
なのに、そこに暗雲が立ち込めてくる。
隠さないで、私の太陽を。
遮らないで、私の希望の光を。
あの時憎らしいと思えたあの青空が、今は大好きなの。
失いたくないの。
「御幸君、私は……」
遠くにいる。遠くに立っている。
「話を聞いて! 私は、応援団に入れて……」
彼は聞く耳も持たずに背を向ける。
そして、遠くへ行ってしまう。
「御幸君……」
やだ、行って欲しくない。行くな。いなくなるな。
「御幸ッ!!」