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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第6章 学校生活の変化


ミス青道と聞いて、昼休みに御幸君がフった女の子のことが思い出される。

(それがこの人か)

その腹いせに当たられているのか、それとも単に男子応援団部が嫌いなだけなのか。松浦先輩から女子応援団部と仲が悪いとは聞いていたけど。

「練習したいんですけど、髪の毛を離してもらっていいですか」

私はごく普通に頼んだつもりなのに、カオリちゃんは苛立ったらしく。随分と乱暴に髪の毛を離され、少し髪の毛が抜け落ちた。

「せいぜい無駄な努力してたら? 1人じゃ何もできないから」

そう吐き捨て、何事もなかったかのように女子応援団部のみんなは去っていった。

(言われてることは図星なんだよな)

私は落ちた髪の毛を拾い上げながら、先ほど言われた言葉を思い出してため息をついた。






そして、最終下校時刻になった。
私は部室(野球の寮の空き部屋)に入り、今日行った練習の記録を書いた。これは、来年新しい部員が入った時に参考になればいいなと思って書くことにした。

カバンを持って、部屋を出る。
野球部も片付けが終わっていたけど、みんなバットを持っていた。

(これから自主練習か)

本当に、彼らのやる気には敬服する。
それを横目で通り過ぎようとした時、

「木下さん」

と野球部新キャプテンの結城先輩に呼び止められた。

「はい?」

「俺も自宅からの通いなんだが、一緒に帰らないか?」

突然の提案に驚き、私は思わず空を見上げる。
決して暗いわけでもなく、むしろまだ明るい。というか、私は学ランを着ているから痴漢になんて会わないだろうし、チャリ通学だし……。

(どのような意図があってそんなことを言うのだろうか)

「応援団部の話も聞きたいし、野球部のことでも話しながら帰ろうかと思ってな」

「あ、ぜひ! 一緒に帰らせてください!」

結城先輩は私の返事を聞き、口元をほころばせる。

「ついでと言っては何だが、バッティングセンターに付き合ってもらってもいいか?」

「行きたいです! ぜひ、よろしくお願いします」


というわけで、私と結城先輩はバッティングセンターに行くこととなった……。

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