• テキストサイズ

詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第6章 学校生活の変化


月曜日。1週間の始まりでもあるこの日に、どうして水泳の授業が入ってしまったのだろうか。

(水泳とかだるい……)

一時間目の古典の授業を受けながら、私は2、3時間目の水泳の授業を想像してため息をつく。
夏休み前に水泳の授業がほとんど雨で潰れ、9月になったこの時期に延期されてしまったのだ。

(でもまあ、9月とはいえ……暑いんだけど)

エアコンこそつけないけど、窓際の席の御幸君は半袖ワイシャツ一枚。日差しが入ってくるから、余計に暑いのだろう。


「それじゃ、今日の授業はここまで。宿題を忘れないようにな」


先生の掛け声にみんなが一斉にプールバックを持って立ち上がる。

(うわ、みんな楽しみにしてたの?!)


「今日、女子と合同だもんな! 雨のおかげだぜ!」
「他クラスの奴等、羨ましがってるぜ」

「今日男子と一緒だって! 自由時間とかあったら、遊びに行っちゃう?」
「えー! めっちゃ楽しみ!」


雨で延期になった分、早く水泳の授業を終わらせたいらしく、男女合同での水泳の授業となったらしい。

(不健全ですよ、先生……)


「おい、木下は男の水着着るのかよ?」

声をかけてきたのは、クラスの男子の中でもガラの悪そうな感じのやつ。

「……」

1学期から嫌な印象しかなかったから、こういうのは無視する。

「男子応援団部だもんなあ? おい! 木下のヌード見れるぜ、ヌード!!」

(私、いじめられやすいキャラなのかなあ)

時折あるんだよね、こういうだるい絡み。

(てか、常識で考えろ、馬鹿)

私がその男子を無視して歩き出そうとすると、そいつに腕をつかまれる。

「おい、無視はひどくね?」

「……離して。授業遅れたくないから」

「ノリわりーな。冗談も通じねーのかよ、クソ女。いや、女じゃないんだっけか? 男子応援団部だもんなあ、廃部寸前の!!」

下品な笑い声をあげる男子。クスクスと影で笑っているクラスメイト。

きっと、私が部活をすぐにやめたから。だから舐められているし、部活動に時間をとられているみんなは私のことが気にくわないだけなんだ。……人を嫌う理由なんて、そんなもんだろうし。

それでも、私にだって許せないことくらいある。

「馬鹿にしないでよ」

私が彼を睨みつけると、彼は右手を振り上げた……。
/ 127ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp