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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第26章 脱・学ラン


「……やっぱりね!」

鳴の顔が曇ったのは一瞬で、すぐにいつもの笑顔に戻っていた。

「だって、ずっと想ってきたんでしょ? そう簡単に一也を好きじゃなくなるはずないし!」

ここに、私を想ってくれてる人がいるのに。

「鳴……私、すっごい嬉しかったよ? 鳴が私のことを好いていてくれて、デートも誘ってくれて、鳴と一緒にいる時間は本当に楽しかった」

そこまで言った瞬間、私は鳴に抱きしめられていることに気がついた。

「振られた時「これが最後」って言って抱きしめたのに。また結を抱きしめちゃった」
「……うん」
「なんで一也なのさぁ……。なんで……」

耳元で囁かれる声。鳴の声は震えている。周りの人が見てる、何てことをいうのはここでは野暮なのかな。

「鳴、私は本当に」




「木下!!」




聞こえるはずのない声だった。だってここは渋谷だよ? 私は鳴と一緒にデート中なんだよ?

(なのに何で)

「一也……やっと来たんだ」


「お前が変なメールよこすからだろ」

鳴は私から離れ、御幸に向かい合う。御幸はそれを正面から迎える。

「俺は2回も振られちゃった。……ここに来たってことはそういうことなんでしょ? 一也」
「……そーいうことだよ」

御幸の言葉に、鳴は大きなため息をつく。

「結、残念ながらここで俺達は解散だ」
「えっ」
「あとは結の王子様がエスコートしてくれるって!」
「ちょっと鳴?!」

鳴は私の頭に優しく手を置く。

「嫌になったらいつでも俺のところおいでよねっ!」

そう言って残された私と御幸。
御幸も私服を着ていて、すごく新鮮。1年の時のバレンタイン以来かな?

「御幸は何でここに?」

気になったことを聞いてみる。

「メール見て焦ったんだよ」

御幸は私に携帯を渡してきた。

(見ろってことかな)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
To 一也(^O^)/

結と渋谷なーう!!
私服すごい可愛いし、話も合うし楽しいo(`ω´ )o
いつまでも結が待ってると思ったら大間違いなんだからな( ̄▽ ̄)
鳴☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「鳴に言わされるようで癪だけど、ちゃんと言うよ。


……俺は木下が好きだ」


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