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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第3章 詰襟デビュー


私は黒い詰襟……学ランを着て学校を出る。だって、学校に残ってもやることが思いつかなかったから。とりあえず、明日から活動してみようかなと。

(御幸君のせいで、とんでもないことになったな)

果たして、御幸君のせいだけだろうか。私が断っておけばこんなことには……とかは考えないようにする。

いつもだったら気持ちよく感じる風。こうやって自転車を飛ばして坂を下る時の風が、なんとも言えない感じで好きだった。
けど、周りの好奇の目が気になってそれどころじゃなかった。そりゃあ、女子が学ラン着てたら驚くだろうけど。これは不本意なんです、って叫びたいくらいだった。


家に着いて、私は真っ直ぐに部屋に向かった。そして、カバンを床に落とし、私はベッドに飛び込む。
枕をギュッと抱きしめ、仰向けになって天井を見つめる。

「事実は小説より奇なり。……あ、これって真実だっけ。でもまあ、小説より奇なり……うまいこと言ったもんだ」

ポケットからスマホを取り出し、画面を見ると、SNSの通知が。
開いてみると、幼馴染の男子からだった。

『元気にやってるか?』

たったこれだけ。でも、久しぶりの連絡だったから自然と顔がにやけてしまう。

「男子応援団部に入ったよーっと」

そしたら、すぐに既読がつく。あれ、あいつって野球部じゃなかったっけ? 暇なの?

『何でまた笑 けどまあ、結ならできるだろ。ただ、そしたら俺の応援できないじゃん』

「あんたは別の学校でしょ」

『そんなこと言うなって。つか、今の野球部はつまんねーから。もっと熱い奴が入ってきてくれれば……って、新入生望んじゃダメだよな』

「私は、一生懸命野球やってる姿、かっこいいと思ってたのに。残念だよ」

とだけ打って、私は携帯を床に置いた。
あいつは、きっと熱い奴だと思う。クールな顔してるけど、本当は熱い奴なんだって。でも、今はやる気が見えない。
青道野球部を見ているから尚更、そう感じるのかもしれないけど。

「それは、私も同じか」


でも、やるって決めたから。決めたなら最後まで突き通す。


みんなの、力になりたい。







……その前に、明日は御幸君を捕まえて締め上げよう。
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