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詰襟応援団!! 【ダイヤのA】

第20章 薬師戦


薬師戦当日。

(1番バッターが轟くん?!)

思わず学ランの襟を回す手を止める。

「せんぱーい、どーゆーことっすか? あの轟ってやつ、すげえバッターなんじゃ?」
「一回でも多く打席を回したい、ってことですかね」

太郎も難しい顔をする。

「そうだと思うよ。それほど、轟くんは凄いバッターなんだと」

嫌な予感がする。薬師高校はどの打順からでも点が取れそうなイメージだ。

(轟くんをクリーンナップに置くまでもないってことね。……今日のうちの先発は誰が投げるんだろう)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

先攻は薬師。それに対して先発のマウンドに立ったのは、1年の降谷くんだ。沢村くんはブルペンで騒いでるみたい……。
応援は基本、自分のチームが攻撃の時にしかしないから、私は試合の行方を見守る。


「右中間フェンス直撃ーーーっ!!!」



轟雷市の打ったボールはフェンス直撃。ホームランは免れたが、二塁打。

(降谷くんのボールを初見であそこまで運ぶなんて)

続くバッターの秋葉くんも高めのストレートを打ち、轟くんのホームイン。あっさりと先制されてしまう。

(そんなっ……)

あれだけ綺麗に打たれたら守備もカバーのしようがない。

「青道は守備だから、応援で励ますこともできない……!」

青道はタイムをとってマウンドでなにやら話し合っている。

(ピッチャーは1年生なんだ。……先輩が引っ張ってやらなきゃダメだよ、御幸!!)

次の打席、3番三島。ファールにはなったものの強い当たり。


(!)

次の瞬間、一塁ランナーがスタートを切る。

(盗塁?! ここで?! ……これを決められたら流れは確実に……!)

降谷くんの投げた球はワンバウンドしそうな変化球。

(だめ、間に合わな……)

けれども御幸は腰を浮かせ、逆シングルの形でボールをとり、矢のような送球でランナーを刺した。

「今、ワンバンしたのに……」

倉持のベースカバーも完璧、タイミング的にも完全にアウト!!

(やっぱり御幸は凄い!!)







青道の攻撃が始まる。





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