第9章 -熟睡できない部屋-
-青峰side-
明け方、いつもの時間に
目が覚めると、いつもと違う。
心地良い温もりに匂い…
その正体はもちろんわかっていた。
すみれだ…。
昨日のすーの夜這いを思い出し、
思わず笑みがこぼれてしまう。
すみれのヤツ…可愛かったなぁ。
なかなかオトナになってたし。
D…いや…Cか?
こいつ、元が細っちぃしな…。
「ん…スゥ…スゥ…」
すみれの寝息がTシャツ越しに
オレの胸にかかり、
思わず身体が熱くなる。
やべぇ…
オレはすみれから意識を逸らすため、
別のコトを考える。
「つか…すみれが来たのって…」
すみれのことばを思い出す。
”淋しい?”
”わたしは…すーはいつだって
大ちゃんの味方だよ。”
すみれはそれしか言わなかった。
言いたいコト…
もっとあったんじゃねーのか⁈
眠っているすみれをジッと見つめ、
心の中で問いかける。
でも、実際に聞いたとしても、
すみれは今は聞かないだろう。
いつだってすみれはそうだ。
絶妙なタイミングで一緒にいてくれ、
絶妙なタイミングでオレにことばをくれる。
「なぁ…すみれ…」
「ん…⁇ふぁ…⁇大…ちゃん…?」
すみれに小声で呼び掛け、
すみれの頭を撫でていると、
寝ていたすみれが目を覚ました。
「ん…ふぁ…ふぁ〜ぁ…おは…よ。」
「おう。…はよ。」