第9章 -熟睡できない部屋-
すみれはまさに寝ぼけまなこで
大あくびをしながら、上目遣いで、
オレを見てきた。
…ったく‼︎人の気も知らねーで‼︎
「ヨダレ垂らしてんぞ?」
「えっ⁈」
すみれに細やかな仕返しをし、
慌てて口元を拭うすみれを見て、
オレはケラケラ笑いながら、
ベッドを抜け出した。
「ほら、朝だぞ?起きろ?」
「ヨ…ヨダレ垂れてないじゃん‼︎」
朝からやっぱりすみれの反応が可愛い。
喉渇いたし…すみれにも
なんか持ってってやるか…
すみれの頭をポンと叩き、
オレは立ち上がり、部屋を出た。
だが、部屋に戻ると、
すみれはスゥ〜スゥ〜と
さっきよりも深い寝息ををたて、
気持ち良さそうに眠っていた。
やっぱり…
こいつ、ほとんど寝てなかったな…。
最初すみれが目を覚ますまで、
寝息がはやかったし、
オレが寝たふりしてる間も、
何度かゴソゴソ動いていた。
昔はよく一緒に寝てたのにな。
オレは嬉しいような淋しいような…
複雑な気持ちだったが、
すみれにそっとタオルケットを掛け、
もう1度部屋を出た。
たまには…
部活に顔を出してやってもいい…
少しだけ…そう思った。
---青峰side End---