第1章 約束
それから三井くんは救急車へ病院へ。
付いていきたかったけど、逆に迷惑になるだろうと思ってついて行かなかった。
次の日、同じバスケ部の小暮くんと赤木くんが私のところに来て三井くんについて教えてくれた。
足が治るまで三井くんは入院をするそうだ。治らないわけじゃなくて、しばらく休養していれば治るらしい。それを聞いてほっと安心した。
お礼を二人に言って、三井くんが入院している病院と部屋番号を教えてもらい、さっそくお見舞いへ放課後行くことにした。
…放課後 病院
まっしろな病院は無機質だ。三井くんも暇してるんじゃないだろうか。
彼の病室の前に立って、トントンと、ドアをノックすると、どうぞ、と返事が返ってきた。
ドアを開けると、テーブルにはバスケの雑誌、壁には誰かはわからないバスケ選手のポスターが飾ってあった。
「雪、来てくれたのか」
「もちろん。足どう?」
「これぐらいなんともねぇよ。かっこわるいとこ見せちまったな…」
倒れたところを見られたのが恥ずかしかったのか三井くんは渋い顔をしながら、私の顔を見ようとしない。
「なに言ってるの、むしろかっこよかったよ、私、バスケなんてなかなか見ないからわからないけど三井くんのシュート姿すごくかっこよかった!」
昨日のことを思い出すとまたドキドキする。
かっこよかったと思ったのは本音だ。
「そう、か?」
「うん!」
「まぁ俺だし、あれぐらい当たり前だ」
褒めちぎったせいか三井くんは照れているのか少しほっぺたが紅くなっているような…?
どちらにせよ、少し元気が戻ったみたい。
「昨日はありがとな、来てくれて」
「あー、、途中で応援して試合邪魔しちゃってごめん… 」
まわりに冷やかされたことを思い出すと頬が熱くなる。やっぱり彼女だなんていわれて、三井くんだって迷惑だろう。
「いや、嬉しかったぜ」
「ほんとに?」
「あぁ。」
にっと笑うところを見るとほんとに喜んでくれていたみたいだ。よかった。
「で?」
「ん?」
「バスマネどーすんだ?」
あぁ、そうだった。バスマネに誘われてるんだったっけ。昨日のバスケ部を、三井くんをみてサポートしてみたいと思った。
けど、生半可な気持ちでやっていいのだろうか?